勝率93%のEAは、嘘ではありません。ただ"まだ退場する日が来ていないだけ"です。
「勝率90%超」「最大ドローダウン11%」——こういう数字を見ると、つい安全そうに感じます。でも、その裏で動いているのがナンピン・マーチンゲール型なら、その数字は「安全の証明」ではなく「まだ最悪の1日が来ていない証明」でしかありません。
この記事では、なぜ高勝率EAがある日突然、口座を空にするのか。その「一発退場」の瞬間を、段階を追って解説します。
1. ナンピン・マーチンとは(なぜ"ほぼ勝ち"に見えるのか)
- ナンピン:含み損が出たら、さらに買い増して平均取得単価を下げる
- マーチンゲール:負けるたびにロットを倍にして、一回の勝ちで取り返す
どちらも「少し戻れば全部まとめて利確」できるため、ほとんどのトレードが勝ちに見えます。勝率90%超は、この型なら普通に作れます。
問題は、勝ちが「小さく・確実」な代わりに、負けが「巨大・低確率」に設計されている点です。
2. コツコツ勝って、ドカンと負ける
9勝1敗でも、その1敗で口座が吹き飛べば、トータルは大マイナスです。
ナンピン型は、勝つときは数千円。でも負けるときは、積み上がった複数ポジションの含み損が一気に確定し、それまでの利益を何十回分も飲み込みます。「勝率」という数字は、この非対称性を一切教えてくれません。
3. 「一発退場」の瞬間(段階で見る)
平和な日々は、ある日突然終わります。
- レンジ相場:価格が行ったり来たり。ナンピンが効き、毎日コツコツ勝てる。「このEA優秀だ」と確信する時期。
- 一方向のトレンド発生:指標・要人発言・天災などで価格が一方向に走り出す。
- 含み損が膨張:戻りを待って買い増したポジションが、戻らずに全部含み損へ。ロットが大きいほど損失は加速度的に膨らむ。
- 証拠金維持率が急低下:含み損が証拠金を食い、維持率がみるみる下がる。
- 強制ロスカット:維持率が基準を割り、全ポジションが市場最悪値で強制決済。
- 残高ほぼ消滅:数ヶ月の利益も元本も、数時間で消える。
これが「一発退場」です。手法が壊れたのではなく、最初からこの日が来る設計だっただけです。
4. 数字のカラクリ:勝率と期待値は別物
勝てるかどうかを決めるのは勝率ではなく「期待値」です。
期待値 = 勝率 × 平均利益 − 負け率 × 平均損失
ナンピン型は「勝率」を上げる代わりに「平均損失」を極端に大きくしています。だから勝率93%でも、平均損失が平均利益の何十倍なら、期待値はマイナスになり得ます。きれいな右肩上がりの実績グラフは、その巨大な1敗が「まだ来ていない期間」を切り取っただけ、ということがよくあります。
5. 見るべきは勝率ではなく「最悪の日に退場しないか」
私が現物BTCのbotで、清算リスクを負わない設計にこだわるのも同じ理由です。大事なのは「どれだけ勝てるか」ではなく、「いつか必ず来る最悪の1日に、退場せず生き残れるか」。
「勝率93%」「ほぼ負けなし」という言葉を見たら、まず「これはナンピン型では?」「最悪の1日のデータはどこ?」と疑ってください。その問いに答えられないツールは、危険です。
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※ 本記事は個人の検証・見解に基づく一般的な注意喚起です。特定の商品を誹謗する意図はありません。投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。