成功談ばかり並ぶFX界隈で、あえて失敗の記録を残します。 私が、ある人気の裁量手法を「完全自動EA」にして、 10年分のデータで検証した結果です。
何を作ったか
いわゆる「波乗り」系のトレンドフォロー手法を、ルール化してEAにしました。
- 4時間足でトレンドの方向と押し目(フィボナッチ61.8%)を判定
- 30分足、1分足へと落とし込んでエントリータイミングを探す
- ブレイクで仕掛ける
裁量で見ると「いい手法だな」と感じる、よくある王道です。 これを機械的に、感情を挟まず10年回したら、どうなるか。
結果:-631R、全年マイナス
10年バックテスト:合計 -631R。しかも、どの年を切り取ってもマイナス。
R(リスク)は「1トレードの損切り幅」を1とする単位です。 -631R は、ざっくり言えば損切り631回分のマイナス。 良い年・悪い年のムラですらなく、一貫して負け続けたわけです。

このカーブは、実際に回した 1,670トレードの結果をそのまま積み上げたものです。 どこかで盛り返すこともなく、淡々と削られ続けているのが分かります。

年ごとに見ても、良かった年が1つもありません。 「たまたま悪い相場だった」では片付けられない、構造的な負けです。
なぜ負けたのか(学び)
① 裁量で「効く」ものが、自動で効くとは限らない
人間は無意識に「明らかにダメな場面」を避けています。 でもEAはルール通りに全部エントリーする。 人間が無意識でやっていたフィルターが抜け落ちると、 同じ手法でも成績が一変します。
② トレンドフォローは「ダマシ」で少しずつ削られる
方向が出ない相場(レンジ)では、ブレイク→すぐ反転、を繰り返します。 1回1回は小さな損でも、10年積もると -631R になる。 「勝つ時に伸ばす」前に、コツコツ削られて終わるパターンです。
③ 完全自動は、想像以上に難しい
「いい手法を見つける」ことと「それを24時間自動で勝ち続けるEAにする」ことは、 まったく別の難易度です。後者は桁違いに難しい。
この失敗から、今やっていること
この検証があったから、私は方針を変えました。
-631R は痛い結果でしたが、「これは機能しない」と自分のデータで言い切れること自体が財産です。 ネットの「勝率90%」を鵜呑みにして実弾を溶かすより、ずっとマシでした。
まとめ
- 人気の裁量手法でも、完全自動化すると -631R(全年マイナス)になり得る
- 裁量の"無意識フィルター"が抜けると成績は激変する
- トレンドフォローはレンジでコツコツ削られる弱点がある
- 失敗を正直に記録することが、次の判断材料になる
うまくいった話だけ見せるのは簡単です。でもこのサイトは、 負けたデータもそのまま出すことを約束した場所なので、最初に置いておきます。
※ 個人の検証記録です。同じ手法が将来どうなるかを保証するものではありません。