成功談ばかり並ぶFX界隈で、あえて失敗の記録を残します。 私が、ある人気の裁量手法を「完全自動EA」にして、 10年分のデータで検証した結果です。

何を作ったか

いわゆる「波乗り」系のトレンドフォロー手法を、ルール化してEAにしました。

裁量で見ると「いい手法だな」と感じる、よくある王道です。 これを機械的に、感情を挟まず10年回したら、どうなるか。

結果:-631R、全年マイナス

10年バックテスト:合計 -631R。しかも、どの年を切り取ってもマイナス。

R(リスク)は「1トレードの損切り幅」を1とする単位です。 -631R は、ざっくり言えば損切り631回分のマイナス。 良い年・悪い年のムラですらなく、一貫して負け続けたわけです。

10年・1,670トレードの累積損益カーブ。一貫して右肩下がりで合計-631.7R

このカーブは、実際に回した 1,670トレードの結果をそのまま積み上げたものです。 どこかで盛り返すこともなく、淡々と削られ続けているのが分かります。

年別の損益。2016〜2026年まで全11年がマイナス

年ごとに見ても、良かった年が1つもありません。 「たまたま悪い相場だった」では片付けられない、構造的な負けです。

なぜ負けたのか(学び)

① 裁量で「効く」ものが、自動で効くとは限らない

人間は無意識に「明らかにダメな場面」を避けています。 でもEAはルール通りに全部エントリーする。 人間が無意識でやっていたフィルターが抜け落ちると、 同じ手法でも成績が一変します。

② トレンドフォローは「ダマシ」で少しずつ削られる

方向が出ない相場(レンジ)では、ブレイク→すぐ反転、を繰り返します。 1回1回は小さな損でも、10年積もると -631R になる。 「勝つ時に伸ばす」前に、コツコツ削られて終わるパターンです。

③ 完全自動は、想像以上に難しい

「いい手法を見つける」ことと「それを24時間自動で勝ち続けるEAにする」ことは、 まったく別の難易度です。後者は桁違いに難しい。

この失敗から、今やっていること

この検証があったから、私は方針を変えました。

-631R は痛い結果でしたが、「これは機能しない」と自分のデータで言い切れること自体が財産です。 ネットの「勝率90%」を鵜呑みにして実弾を溶かすより、ずっとマシでした。

まとめ

うまくいった話だけ見せるのは簡単です。でもこのサイトは、 負けたデータもそのまま出すことを約束した場所なので、最初に置いておきます。


※ 個人の検証記録です。同じ手法が将来どうなるかを保証するものではありません。