「勝率80%超え」と聞くと、強そうに見えますよね。 でも今回、勝率80%なのに10年でほぼ1円も増えなかったEAの検証結果が出たので、そのまま公開します。

数字を盛らないのがこのサイトの約束なので、負けでも勝ちでもない「横ばい」という地味な結果こそ、正直に置いておきます。

何を検証したか

ある手書きのトレード手法メモを、そっくり完全自動のMT5 EAにしました。

裁量で見ると「きれいな王道トレンド手法」に見えるやつです。 これを感情ゼロで、実際のレート(H4)・11通貨・10年分で回しました。

結果:勝率は高い。なのに増えない

まず、手書きメモ通り(トレンドライン抜けで仕掛け)だと、11通貨すべてマイナスでした。

そこからが本番です。エントリー条件・利確位置・トレンドフィルターなどを 54パターン総当たりでブラッシュアップして、一番マシな設定を探しました。 その「ベスト設定」がこれです。

勝率:78〜85%。なのに10年の成績は、年+0.1〜0.7%。ほぼ横ばい。

11通貨の10年資産推移。勝率は高いのに、どれも1.0付近をうろつくだけで増えていかない

グラフのとおり、勝率が高くても線はほとんど上に伸びません。 これがナンピン系EAの正体です。

なぜ「高勝率なのに増えない」のか

① 勝ちは小さく、負けは大きい

ナンピンは「含み損を買い増して、少し戻ったら利確」する形なので、 小さな勝ちを何度も拾えます(だから勝率が上がる)。 でも一度ダメな時は、3段積んだポジションがまとめてやられる。 9回コツコツ勝って、1回でぜんぶ吐き出す——だから増えないんです。

② 高勝率は「強さ」ではなく「形」

勝率80%という数字は、手法が優秀な証拠ではありませんでした。 「勝率93%」を売りにするツールの正体と同じで、 ナンピンにすれば勝率は簡単に上がる。問題は、その裏に隠れた負けの大きさです。

③ 前半5年と後半5年で結果が裏返る

10年を前半・後半に割って、両方ともプラスだった通貨は11個中たった2つ(AUDJPY・EURUSD)。 しかもその2つも、年+0.3〜0.7%という誤差レベル。 残りは前半勝てば後半負ける、の繰り返しで、安定した優位性=偶然の範囲でした。

あえて「ここで止めた」理由

正直、もっとパラメータをいじれば、グラフを右肩上がりにすることはできます。 でもそれは過去に合わせて数字を盛る行為=カーブフィットで、 本番では通用しないことが分かっています。

だから今回は、「ほぼ横ばい・優位性なし」で正直に止めました。 自作EAが-631Rだった時と同じく、 「これは儲からない」と自分のデータで言い切れることが、いちばんの収穫です。

まとめ

「勝率○○%」という言葉を見たら、まず「で、10年で資産は増えたの?」と聞いてください。 増えていないなら、その高勝率にはほとんど意味がありません。


※ 個人の検証記録です。特定の手法・ツールの将来の成績を保証するものではありません。