ボリンジャーバンドの考案者本人が、講演で自ら明かした「本当の使い方3パターン」——これをそのままルール化してEA化したら、機械的に稼げるのでしょうか。実データで検証しました。

ルール化した3パターン

共通条件はBB(20期間, ±2σ)・バンド幅(BandWidth)・%Bで、判定期間は考案者本人の定義通り125本。

戦略 エントリー 決済
① スクイーズブレイク バンド幅が125期間で最小(スクイーズ)になった後、30本以内にバンドを終値で上抜け/下抜け バンド幅が125期間で最大になった時 or 中心線を逆側にクロスした時
② ダブルボトム/トップ 左の谷がバンド外+バンド幅ピーク近辺 → 右の谷はバンド内+%B切り上げ → ネックライン終値ブレイクで反転狙い ストップは右の谷、目標は値幅の見込み分
③ 2本足リバーサル 終値がバンド外に出た翌足でバンド内に戻ったら逆張り ストップは直近2本の高安、利食いは中心線 or 20本で時間切れ

上位足フィルター(4時間足なら日足、日足なら週足の終値と移動平均の位置関係が同方向のシグナルのみ採用)も併せて検証しました。

検証方法

Pythonで完全再現し、11通貨ペアの4時間足・日足データ12.5年分(2014年1月〜2026年6月)で、3戦略×時間足×フィルター有無=12構成を検証。スプレッド2倍・スリッページ0.5pips・開始時期ずらしのストレステストも実施し、MQL5でEA化してMT5のストラテジーテスターでも照合しています。

結果:12構成中11が赤字

構成 取引数 勝率 合計損益(11ペア合算) 最大DD
① 4時間足 素 1,573 33% -30.6% -53%
① 日足 素 247 30% -20.3% -37%
② 4時間足 フィルターあり 187 45% +6.6%(年0.5%・誤差レベル) -10%
③ 4時間足 素 12,422 37% -122.3% -140%
③ 日足 素(唯一のプラス) 2,010 41% +76.9% -47%
③ 日足 フィルターあり 860 37% -28.0% -63%

12構成中11が10年赤字。唯一プラスだった「③日足・フィルターなし」も中身を見ると、利益の内訳はロング側+88.9%・ショート側-12.0%でした。つまり「下のバンドで買う」というパターンが機能したのではなく、この10年がたまたま押し目買いの効きやすい相場だっただけです。スプレッド2倍のストレスをかけると+76.9%は+39.9%まで半減し、最大DD-47%に対して年平均+3%程度では割に合いません。

判定:機械的には成立しない

考案者本人も、講演でバンドタッチは売買シグナルではなく「相対的な高値・安値を測る物差し」だと語っています。裁量の環境認識ツールとして語られたものを、そのまま機械的なエントリー条件にすり替えると再現できない、というのが実データでの結論です。

まとめ

「勝率93%」を信じてはいけない理由や、バックテストの数字が盛れる仕組みと合わせて読むと、テクニカル系EAを見る目が変わります。

※本記事は当ラボがPythonで再現・検証した結果です。検証条件:11通貨ペア 4時間足/日足データ(2014年1月〜2026年6月・12.5年)、スプレッド実データ中央値控除。特定の個人・書籍・動画を誹謗する意図はありません。